HERZのエヴァ考察ノートへようこそ！
今回はエヴァ考察でよく見られる誤解について、思いついたものをまとめてみたいと思います。
(※この考察は新旧のつながりやループ説そのものを否定するわけではなく、考察の前提となっている誤情報を否定するものです)
ドグマの戦闘機について
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」より
:Qでセントラルドグマに落ちていた戦闘機が旧劇の国連軍のものだとする説がありますが、シンエヴァ公開予定(2021/1/23)の直前に公開された:QのIMAX版にてヴィレのマークが描かれているのが確認されました。
わざわざ完結編公開直前の最新版で付け加えられたということは、これは戦闘機だけの否定に留まらず、制作陣からの旧劇とのつながりを否定する改修だったとも考えられます。
使徒の呼び方について
「シン・エヴァンゲリオン劇場版」チラシより
第○の使徒や第○使徒という呼び方の違いで旧劇と新劇のつながりを見いだす考察がありますが、劇中のセリフや、公式のグッズ・資料ではバラバラなので、使徒の呼び方は関係ないと考えるのが妥当です。
エヴァ世界の季節について
エヴァの世界が全世界常夏だと勘違いしている方が多いですが、テレビ版(おそらく新劇場版も同様)の設定では、セカンドインパクトによって地軸が変化したことにより、日本が赤道直下となってしまっただけなので、他国では雪が降る地域も普通にあるはずです。
地軸に関してはより詳しく独自に考察しているので、↓をご参照ください。
:Q以降のアスカの姓について
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」
劇場パンフレットより
:Q以降のアスカを旧劇からやってきた惣流だとする説がありますが、さまざまなグッズやパンフレットが式波として発売されていますし、エントリープラグ内にSikinamiと書かれていますので、:Q以降のアスカを惣流だと言うのは無理があります。
また、そのような説では、:Qの2号機には式波として誤認させて惣流が乗っているという説明をされている場合がありますが、わざわざ偽名で乗り込む必要も無いですし、結論ありきの無理やりな辻褄合わせになっていると思います。
海が赤い理由
エヴァンゲリオン新劇場版:破より
新劇場版で海が赤い理由ですが、:破でシンジが｢僕が産まれる前は、この海が青かったなんて想像出来ません｣と発言しているので、セカンドインパクトによるものだと推測され、15年前には青い海であったことが分かります。
よって、海が赤い理由を旧劇のサードインパクトとつなげるには無理があります。
これが嘘だとすれば15歳以上の登場人物(ミサト、加持等)が全員口裏合わせて嘘をついているということになりますからね。
月面の血について
｢ヱヴァンゲリヲン新劇場版：序｣より
月面の血の跡が旧劇リリスの血の跡だという考察がありますが、破の絵コンテより、セカンドインパクトによって付着した血の跡だと判明しています。
しかし誰の血が飛び散ったのかは不明です。爆心地から一本の輪として放射されているので、アダムスのように複数体では無さそうです。
カヲルの棺について
上記画像と同じ月面 静かの海に並ぶカヲルの棺について、なぜかこれを全部で9つと断定して、旧劇の量産機のダミープラグなどと関連づけられる考察がよく見られます。
ですが、実際に資料を見てみると、公式で9つと指定された記録はどこにもなく、脚本には「たくさん」と書かれており、画コンテでは10個以上の棺が並んでいるのが確認できます。
間違いに気づけない理由
ここまでのまとめで、エヴァの考察における大きな誤解を解くことが出来たと思いますが、なぜこのような間違った情報が流布されてしまうのでしょうか。
たとえばみなさん、下の画像を見てエヴァは何体いると思いますか？
｢0706作戦｣より
写っているのは8体ですが、その両端は見切れていてわかりません。
そして、0706作戦を観た方ならわかるように、実際には8体どころではなく数十体並んでいます。
カヲルの棺も同様に、あの1シーンでは両端が見切れていて数が分からないはずです。
なのに9つと断定する説がまかり通るのは、旧劇量産機のダミープラグの数と同じであるという間違った結論ありきのこじつけで考察が展開されていて、それを見た人も本編を確認し直そうともせず鵜呑みにしてしまうからなんです。
これはエヴァのみならず全ての知識について言えることなのですが、自分で調べようとせず、偏った1つの入れ知恵を盲信してしまうのはとても危険だと思います。
少なくともこの記事を見に来て下さっている方々は、自分で調べる力を持っている方々だと思うのですが、もし仲の良い方や知識の浅い方がこのような間違った考察を嬉々揚々と語っておられるなら、それをできる限り止めてあげて欲しいです。
TwitterやYouTubeでエヴァの考察を行っている有名な方々は、このような間違った情報を正す考察を頻繁に取り上げているのですが、未だに間違った考察が根強く残ってしまっているのが現状です。
私もその尊敬する方々に倣って、間違った説を正し、正確な情報源の提示を心がけて今後も考察していきます。
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