HERZのエヴァ考察ノートへようこそ!
今回は、新劇場版エヴァの裏テーマとなっている「人類補完計画」と「ネルフ究極の目的」について、劇中のセリフを中心に考察し、前後編でまとめていきたいと思います。
この記事はその後編になります!
先に↓をご覧頂くことをおすすめします!
こちらはシンエヴァ公開前の状態で保存しています。
:Qでのネルフとゼーレの関係
まず、空白の14年でネルフとゼーレの関係がどう変化したかを考察していきます。
:Qでは、空白の14年の結果として、ヴィレがネルフから独立し、おそらく人類の大半が死滅しました。
そのため、:破までのゼーレは各国を裏から牛耳り、その力でNERVを操っていたと思われますが、人類もネルフ職員もいなくなってしまっては、その権力を行使できなくなってしまいます。
よって、ネルフは事実上支配から逃れ、ゼーレと違って(?)肉体を持って動ける分、ゼーレとの立場が逆転したと推測しています。
しかし、ゼーレとてそれを許す訳にはいきませんので、抑止力として(?)カヲルとアヤナミレイ(仮称)を送り込んだのだと思われます。
カヲルに関しては、前編でも触れたように、ゼーレの少年であることは間違いないと思いますが、実はアヤナミレイ(仮称)に関しても、没カットでは
冬月「君を運んできた複製体はMark.9の暫定パイロットとして用意されたアヤナミ型試作体第6号だ」
「あの複製体はゼーレのプログラムで動いている。我々の関知しないところだ」
という説明があり、ゼーレの少女であることが分かっています。
つまり、:Q開始時点では、ネルフのパイロットはゼーレチルドレンのみだったことになります。
:Q本編で初号機よりシンジを優先して奪還したのは、ゼーレの支配下にないパイロットの確保を求めたからかもしれません。
ここまでの情報から、ネルフとゼーレの関係をまとめると、
ゼーレ:ネルフへの圧力をかけられなくなったが、代わりにゼーレチルドレンやエヴァを送り込んでネルフを内側から制御しようとしている。
ネルフ:ゼーレの生殺与奪権を持ち、ゼーレの圧力を無視できるが、ゼーレには多大な恩があり、協力している方が都合が良い。ゼーレチルドレンでは安心できないため、信用できるパイロットを求めている。
という関係になっていると推測できます。
ゼーレの願い
次に、空白の14年でゼーレのシナリオはどう変化したかを考えていきます。
まず、:序のゼーレは
「人類補完計画、その遂行こそが我々の究極の願いだ」
と言っていたのにも関わらず、:Qで電源を落とされるシーンでは、
「我らの願いは既にかなった。良い。すべてこれで良い。人類の補完。やすらかな魂の浄化を願う」
と言っています。
なので、“願い”は既に叶ったそうですが、“究極の願い”は叶わぬまま死んでしまったことになります。
このことから、ゼーレは空白の14年で独自のシナリオを諦め、人類補完計画すらもゲンドウに託すことになったと予想されます。
では、なぜ独自のシナリオを諦めることになってしまったのでしょうか?
前編の復習ですが、ゼーレが独自に進めていたのは、死海文書外典に基づく人類補完計画で、それには本物の神であるMark.6が必要であると考察しました。
しかし、:Qでは既にMark.6は槍が刺さって停止しており、計画は失敗したように見えます。
そのため、おそらくゼーレ独自のシナリオは続行が不可能になったのでしょう。
その後、:Q本編では
ゲンドウ「人類補完計画は死海文書通りに遂行される。もはや我々と語る必要はない」
というセリフがあるので、ゼーレは死海文書通りの人類補完計画が遂行されれば文句は無いようです。
とすると、ゼーレは計画を③(ネルフとゼーレが協力している、死海文書通りのシナリオ)に妥協したのではないかと考えられます。
ちなみに、
①ゼーレ独自のシナリオ(死海文書“外典”)
②ネルフ究極の目的のためのシナリオ
③両者が協力して目指しているシナリオ(死海文書)
についてですが、死海文書“外典”には、「クリア条件は厳しいが、報酬が多いクリア方法が書かれている」というイメージなので、
①スターを全部取ってクリア
②裏ルートで別エンディング
③通常のクリア
というイメージを踏まえて考えると、①の妥協が③というのも納得できるかと思いますw
つまり、:Qでのゼーレの願いは
死海文書外典に基づく理想の人類補完計画は望めなくなったので、せめてネルフには死海文書通りの人類補完計画を遂行して欲しい
というものだと考えます。
一方ゲンドウは、:Qでも
「ゼーレのシナリオを我々で書き換える。あらゆる存在はそのための道具に過ぎん」
と発言しているので、一貫してネルフ究極の目的を目指しているようです。
余談:Mark.6はなぜ失敗したのか
Mark.6による計画が失敗した理由ですが、カヲルのセリフでは
「エヴァMark.6。自律型に改造され、リリンに利用された機体のなれの果てさ」
と語られています。
この“自律型に改造”というのをダミーシステムだと仮定すると、
前編の余談でも考察した通り、そのダミーにはゲンドウの魂のコピーが入っていた可能性があります。
さらに、セントラルドグマのMark.6が自ら槍を刺しているように見えるので、
Mark.6によるゼーレのシナリオを、ゲンドウがダミーシステムを使って自害するように仕向け、妨害した
とも考えられそうです。
:Qのカヲルはゼーレ側?ネルフ側?
ここでは、ゼーレとネルフの対立構造を理解するために、まずカヲルの立ち位置を考えます。
:Qのカヲルはネルフに所属し、ネルフのエヴァに乗っていますが、ゼーレの少年と呼ばれていますが、実際にはゼーレとネルフのどちらに加担しているのでしょうか?
それを考えるヒントは、カヲルが槍の異変に気づいたシーンにあります。
「カシウスとロンギヌス、対の槍が必要なんだ。なのにここには同じ槍が二本あるだけ」
「そうか…!そういう事か!リリン!」
というセリフです。
そして、ここの「リリン!」と言うタイミングで切り替わるのは、ゲンドウのカットです。
ここで、おそらくカヲルは、ゼーレに「ロンギヌスとカシウスがある」と聞いていたのでしょう。
しかし、実際は形状が揃った槍が2本あった。
そして、それを仕組んだのは「リリン!(ゲンドウ)」だったのでしょう。
つまり、カヲルは:Qでもゼーレの指示で動いていた。
そして、ゲンドウはゼーレにも嘘をつき、ロンギヌスとカシウスがあると説明していたのだと思います。
もしくは、ゲンドウはカヲルがゼーレの指示に従っていると気づいたため、ゼーレを騙してカヲルを操作したとも考えられます。
フォースインパクトの裏側
次に、ネルフとゼーレの対立構造を理解した上で、フォースインパクトの裏側で行われていた“ネルフvsゼーレの戦い”について考えてみようと思います。
フォースインパクトは、セントラルドグマで第13号機が2本の槍を抜いたことによって始まります。
シンジは、自分の意思で槍を抜いてしまったのですが、その後には
「操縦が効かない!どうなっちゃったんだ!?カヲル君!」
と焦っているので、第13号機の操縦が効かなくなってしまったようです。
また、操作系はシンジに独占されているので、当然カヲルにも操縦することはできないはずです。
よって、このシーン以降は全て第13号機の意思、もしくはゲンドウのプログラムで動いていると思われます。
それを前提に、↓のシーンを振り返ってみましょう。
このシーンの直前でカヲルは
「ガフの扉は僕が閉じる」
などと話しているので、おそらくほとんどの人はカヲルが操作したと思っているのではないかと思いますが、
先述した通り、既にパイロットの操縦は効きませんし、実際にエントリープラグ内のカヲルとシンジは操縦している素振りがありません。
そして、問題はこれが第13号機の意思なのか、ゲンドウのプログラムなのかですが、
自然に考えれば、第13号機の意思で自決することは考えづらいですし、ゲンドウのプログラムで動いていたと考えるのが妥当でしょう。
そして、フォースインパクトではパイロットの操縦が効かなくなった機体がもう1機いたはずです。
そう!Mark.9です!
このMark.9は、第13号機覚醒後はゼーレのプログラムで動いていました。
つまり、:Qではエヴァをプログラムして動かす技術が発明されており、Mark.9にはゼーレ、第13号機にはネルフのプログラムが用いられていたと考えられます。
これが、フォースインパクトの裏で行われていたネルフvsゼーレの戦いです。
とは言っても、実際に第13号機とMark.9が戦闘するわけではありません。
ここでゼーレにプログラムされたMark.9が行っていたのは、“フォースの発動を食い止めようとした”ヴンダーの妨害です。
その反対に、ネルフにプログラムされた第13号機は、槍を自分の胸に突き刺し、フォースインパクトを止めようとしました。
よって、フォースインパクトの裏で行われていた戦いとは、
フォースインパクトを完遂させたいゼーレ
vs
フォースインパクトを未遂にしたいネルフ
という戦いだと考えています。
これは前編でも考察したように、ゲンドウはインパクトを望んでいないと思われます。
しかし、ネルフ究極の目的のため、第13号機を覚醒させる必要があるので、結果的にフォースインパクトは始まってしまいます。
ゲンドウはそれを分かっていて、事前に自決プログラムを第13号機に仕込み、インパクトを“始まりの儀式”の段階で停止させようとしたのでしょう。
しかし、ゼーレはまだ奥の手を残していました。
第13号機が自決プログラムを発動させ、カヲルがDSSチョーカーで首をはねられた後のシーンでは、
マリ「ガフの扉がまだ閉じない!わんこ君がゼーレの保険か!」
というセリフがあります。
ここでは明確に“ゼーレの保険”だと言われています。
つまり、フォースインパクトを完遂させたいゼーレは、ダブルエントリーシステムを提言するなどして、パイロットが死んでしまった時の保険を準備していたのでしょう。
そして、ここでマリの活躍により、そのシンジも脱出させることに成功し、無事にフォースインパクトは停止しました。
その後のリツコのセリフでは
「誰のおかげか分からないけど、フォースは止まった。ミサト、今はそれで良しとしましょう」
と言っていますが、これはマリのおかげでもあり、ゲンドウのおかげでもあったのでしょう。
さらに、ネルフ側のセリフでも
「ひどい有様だな。ほとんどがゼーレの目論見通りだ」
「だが、ゼーレの少年を排除し、第13号機も覚醒へと導いた。葛城大佐の動きも計算内だ。今はこれでいい」
という会話があります。
つまり、この惨状はネルフの目論見ではなく、ゼーレの目論見でした。
さらに、ゲンドウの目的は、ゼーレの少年(カヲル)の排除と、第13号機の覚醒だったことが分かります。
そして、ゲンドウは、“今はこれでいい”のですから、やはりフォースインパクトはネルフの目的ではなかったようです。
ここまでの考察をまとめると、
フォースインパクトを完遂させたいゼーレ
vs
フォースインパクトを未遂にしたいネルフ
という戦いは、
「ゼーレの奮闘もあり、なかなか拮抗した戦いだったが、最後はネルフの勝利」
という結末に終わりました。
人類補完計画についての情報
本来は人類補完計画だけをまとめる予定だったのですが、結果的にネルフ究極の目的を理解することが必要となってしまったので、ここで、ネルフの計画を考察する前に、先に人類補完計画に関する情報をまとめ、確定させていきたいと思います。
ネルフ究極の目的は、人類補完計画のさらに先があると考えているためです。
まず、条件として重要となるのは次の2つのセリフ
「人類補完の扉を開くネブカドネザルの鍵だ」
「碇シンジ君。君の希望はドグマの爆心地に残る二本の槍だけだ」(※この時点ではカシウスとロンギヌスを指している)
「それが補完計画発動のキーとなっている」
よって、人類補完計画の必要条件として判明しているのは、ネブカドネザルの鍵、カシウスの槍、ロンギヌスの槍、そして、前編で考察した“神と呼ばれるエヴァ”です。
このことから、人類補完計画は、神と呼ばれるエヴァと人の魂を紡ぎ、カシウスの槍とロンギヌスの槍をキーとして発動するのだと推測されます。
次に、その人類補完計画の結果を推測するにあたって重要となるのは
カヲル「自らを人工的に進化させるための儀式を起こした。古の生命体を贄とし、生命の実を与えた新たな生命体を作り出すためにね。全てが太古よりプログラムされていた絶滅行動だ。ネルフでは人類補完計画と呼んでいたよ」
というセリフ。
ここで注意しなければならないのは、人類補完計画はまだ行われていないということです。
カヲルのセリフを一見すると、サードインパクトによって人類補完計画は行われたかのように説明していますが、その後のゲンドウのシーンでは、
「宿願たる人類補完計画と、諦観された神殺しは、私が行います。ご安心を」
と語られていますので、人類補完計画はまだ行われていないはずです。
それを元にカヲルのセリフを読み解くと、
「古の生命体を贄とし、生命の実を与えた新たな生命体を作り出す(という人類補完計画の)ために、自らを人工的に進化させるための儀式(サードインパクト)を起こした」
と解釈できませんか?
このサードインパクトのセリフについては↓の記事で考察しています。
そして、人類補完計画については「古の生命体を贄とし、生命の実を与えた新たな生命体を作り出す」という計画だと推測できました。
この生命の実を与えた生命体は、個体なのか群体なのか、このセリフだけでは分かりませんが、旧劇を観たことがある方なら、ここでは個体をイメージすると思います。
しかし、私は群体なのではないかと考えています。
その理由は、:Qのゲンドウのセリフの
「人類補完計画は死海文書通りに遂行される」
という部分です。
前編でも考察したように、ゲンドウと冬月は個体となることを望んでいないと思われるので、死海文書通りの人類補完計画では個体とならないのではないかと思われます。
すると、ここでゼーレの初期脚本のセリフ
キール「我らは、個体ではいきていけない。だが、個体ゆえの苦しみから開放されることもない。その業と原罪を超えるための、人類補完計画なのだ」
と矛盾してしまう気がします。
しかし、ゼーレの究極の願いは死海文書外典に基づく人類補完計画なので、矛盾は免れるかと思います。
この会議シーンにはゲンドウはいませんので、表向きのシナリオではなく、ゼーレ独自のシナリオの話をしていると思われます。
また、カヲルが話していたのは「ネルフでは人類補完計画と呼ばれていた」という話なので、ゼーレの人類補完計画とは異なるというのも納得できます。
人類補完計画の2つのシナリオをまとめると、
①死海文書通りの人類補完計画→群体
②死海文書外典に基づく人類補完計画→個体
となります。
そして、ゼーレは:序:破では②を目指していたが、:Qでは①に妥協した、と考えました。
ネルフ究極の目的
ここまでの考察で、「ゼーレは権力を失い、妥協案として死海文書通りのシナリオを目指したが、それすらもネルフによって阻止された」と考えられるので、
ここからシンエヴァでの人類補完計画は、完全にネルフのシナリオだけを考えれば良さそうです。
そして、ネルフ究極の目的に必要な道具は、第13号機完成時点で
「最後の執行者が遂に完成したか」
「ああ……これで道具はすべて揃った」
と語られているので、ネブカドネザルの鍵、カシウスの槍、ロンギヌスの槍、第13号機、初号機あたりでしょうか。
あとはヴンダー、インフィニティ、量産機(?)、黒き月、Mark.10などが考えられます。
ここからは、ネルフ究極の目的に関わるキーワードをまとめていきます。
ネブカドネザルの鍵
↑はネブカドネザルの鍵の設定資料なのですが、伏字の部分から、何かの情報カプセルと考えられます。
そのことから、誰か(ユイ、使徒、アダムス等)の生体情報が含まれているのではないかという考察が多いのですが、これは引ききった形ではなく、押された形でゲンドウの手に渡ってるんですよね。
この形状からして、おそらく注射器のように使うことが予想出来ると思うのですが、注射のように情報を注ぎ込むなら、引ききった形で渡されると思いませんか?
さらに、ネブカドネザルの鍵を渡した加持のセリフでは
「予備として保管されていたロストナンバー。神と魂を紡ぐ道標ですね」
と言っているのですが、この言葉のイメージだと、「使用者の魂を神と繋げる」というイメージなので、既に中身があってはイマイチ辻褄が合わない気がします。
なので私は、「魂を1度吸い取って、それを神に注ぎ込む」という使い方なのではないかと考えています。
その解釈であれば、押された形で渡されたのにも納得できますし、神と魂を繋ぐこともできるのではないかと思います。
ゼーレ化するためのアイテムという考察もありますが、ゼーレはあくまで「知恵の実を与えられた生命体」とゲンドウが話しているので、“神”ではないと思われます。
さらに、“道標”という表現も、神と魂は直接紡ぐことが出来ないから、その道標としてこの注射器を使う、というイメージで納得できます。
そして、:Qで冬月のセリフで
「だから今、碇は自分の願いを叶えるためにあらゆる犠牲を払っている。自分の魂もだ」
と言われているので、自然な考え通り、ゲンドウが神と融合するのでは無いかと考えています。
さらに言えば、「今、自分の魂を犠牲にしている」と考えられるので、既にネブカドネザルの鍵に魂を吸われた段階である可能性が高そうです。
ちなみに、ネブカドネザルの鍵を運んでいたトランクケースが:Qのラストまで登場しているので、おそらくまだ神とは繋げていないと考えています。
公式のオーディオコメンタリー企画でも、「ネブカドネザルはシンエヴァで重要になる」という趣旨のコメントがありました。
なので、シンエヴァでネブカドネザルの鍵が登場したら、それが引ききった形なのかどうか、注目してみてください。
そして、次に気になるのがこの“神”とは誰なのかですが、前編でも考察したように、人類補完計画には“神”と呼ばれるエヴァが必要なのではないかと考えています。
前編で書き忘れていましたが、初号機覚醒時のリツコのセリフで「人を超えた神に近い存在へと変わっていく」というセリフがあるので、“神”と呼ばれるエヴァを作るには覚醒が条件だと推測されます。
そして現状、ネルフが“神”にしたエヴァは、初号機と第13号機です。
ですが、初号機にはユイの魂をエントリーさせているので、ゲンドウが繋ぐとしたら第13号機ではないかと考えています。
ユイのダイレクトエントリー
ユイのダイレクトエントリーについては、冬月のセリフで
「ユイ君はここで消え、彼女の情報だけが綾波シリーズに残された。君の知っている綾波レイは、ユイ君の複製体の一つだ。その娘も君の母親同様、初号機の中に保存されている。すべては碇の計画だよ」
と語られました。
よって、新劇場版ではユイが取り込まれたのはゲンドウの計画であり、ゲンドウはユイを取り戻すのが目的ではないようです。
さらに、綾波レイに残されたユイの情報も初号機の中に保存されましたので、初号機の中にはユイの魂と情報が全て保存されたことになりますね。
そして、前編で考察したように、ゲンドウは初号機の覚醒にこだわっており、初号機を“神”にすることを狙っていたようです。
これらをまとめると、ゲンドウの計画には、“神”のエヴァと、その中にユイの魂と情報が揃うことが条件として必要なのでしょう。
さらに言えば、フォースインパクトで第13号機も神となり、ゲンドウはネブカドネザルの鍵を使って第13号機と魂を繋ぐことを目指していると考察したので、
2つの神にそれぞれユイとゲンドウが融合することを目指しているのかもしれません。
ゲンドウ「最後の契約の時が来る。もうすぐ会えるな、ユイ……」
というセリフは、エヴァと融合し、神となった状態で再会することを意味しているのかもしれませんね。
人類補完計画のその先
ここまで、ネルフ独自のシナリオを考察してきましたが、ゲンドウのセリフによって、
「人類補完計画は死海文書通りに遂行される」
ということが分かっています。
もしネルフ独自のシナリオが人類補完計画で終わりなら、それは前編の③(ネルフとゼーレが協力している、死海文書通りのシナリオ)となってしまいますし、ユイとの再会も何もかも果たせなくなってしまいます。
そのため、ネルフ究極の目的は、人類補完計画のその先まで組まれていると思われます。
そして、そのヒントとなるのは冬月とシンジの将棋のシーン
「世界を崩すの事は造作もない。だが、作り直すとなるとそうもいかん。(中略) だから今、碇は自分の願いを叶えるためにあらゆる犠牲を払っている。自分の魂もだ。」
というセリフです。
つまり、ゲンドウは世界を作り直すという願いを叶えるために、自分の魂をも犠牲にして頑張っているようです。
さらに、カヲルのセリフで
「第13号機とセットで使えば、世界の修復も可能だ」
ということが判明しているので、ゲンドウは明らかに世界の修復を目指していると言えそうです。
これは、予告の第三新東京市や、初号機のケイジが修復されていることからも確実だと思われます。
ここまでが新劇場版のセリフや事実から導かれる考察になります。
ネルフ究極の目的の考察をまとめると、
必要な道具
ネブカドネザルの鍵、カシウスの槍、ロンギヌスの槍、第13号機(神)、初号機(神)
必要条件
死海文書に基づく人類補完計画を遂行する
初号機の中にユイを保存する
ネブカドネザルの鍵で神と魂を紡ぐ(おそらくゲンドウと第13号機)
カシウスの槍とロンギヌスの槍がキー
ということが分かりました。
ここからは、シンエヴァが公開されていない3月3日現在、考察することが不可能だと思われますので、考察によって導かれた結果を用いた完全な予想になります。
結論として、ネルフ究極の目的とは、
神となった第13号機にゲンドウが融合し、カシウス・ロンギヌスの槍の2本を用いて人類補完計画を起こすことで、人類を生命の実を与えた新たな生命(群体)に進化させ、世界を修復。
その後修復した世界で、神となった初号機に融合しているユイと再会する
というものだと予想します。
ちなみに、“運命を仕組まれた子供達”はリリンではないので人類補完対象外だと思われます。
まとめ
前編では、:序:破の人類補完計画は3つのシナリオに分かれていると考察しましたが、
後編の:Qでは、ゼーレとネルフの立場が逆転し、2つのシナリオに絞られました。
そして、:Qでゼーレは死に、フォースインパクトの裏で行われていた戦いは、ネルフが勝利しました。
完結作となるシンエヴァでは、ネルフのシナリオに一直線となることが予想されますが、実際はそれを妨げる第3勢力のヴィレがいます。
しかし、ここまでの考察で、ネルフはインパクトを望んでおらず、人類補完計画のその先、世界の修復を目指していると考えられるので、
個人的には↓のシーンで、ネルフの究極の目的をヴィレに説明し、再び協力することになるのではないかと思っています。
もしくは、それに賛同できないヴィレと決闘に発展する可能性もありますが
シンエヴァ公開前追記
加持「葛城の父親は、研究…夢の中に生きる人だったそうだ。彼女はそんな父親を嫌っていた」
シンジ「僕と同じだ」
加持「だが、最後はその父親に助けられた」
これは、シンジがシンエヴァでゲンドウに助けられることを暗示しているのではないでしょうか?
冬月「お前の生き様を見せても息子のためにはならんとするか。私はそうは思わんがな」
これ、ゲンドウの計画ちゃんと説明すればシンジも納得するっていう意味に聞こえませんか?
シンエヴァが公開されていない以上、ネルフ究極の目的に関しては推測にすぎませんが、考察によって導かれた事実を組みたてて、皆さんも予想してみることをおすすめします!
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画像引用:©khara/Project Eva.
©カラー/EVA制作委員会
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1コメント
2021.03.03 11:35